「税理士に丸投げ」では最適な申告は得られません。

〜blog『relax&focus』より転載〜

時間とコストのバランス

自分で完結

経理業務については、
ある程度の時間をかければ
できると考えられています。

それは正解であり、まちがい。

確定申告の期限ギリギリに
領収書の整理をして
駆け込んだ、という投稿が
散見されるように、
なんとかなっている方も
多くいらっしゃいます。

ただし、それが
最適解だったかどうかは
また別の問題で、
収入・支出ともに
漏れやダブりが
生じている可能性は
否定できないでしょう。

そういう意味で、
正解でもあり、
まちがいでもあります。

税理士に丸投げ

一方、税理士に領収書を
丸投げすれば、
一定の支出と引換に
最適解が手に入るかと言えば、
それも疑わしいです。

領収書にプライベートの
支出らしきものがあれば
それは外されているかも
しれません。
たとえ事業に必要なもので
あったとしても。

なぜか?

それは使った本人ではないので
内容が不明だからです。

領収書一枚一枚にきちんと
メモが書いてあれば
税理士はそれにしたがって
処理できますが、
そこまでマメな方は
なかなかいません。

飲食店や量販店のレシートを
ゴソッとまとめて送ってしまうという
送り方になる方がほとんどでしょう。

1月に入ってすぐに送れば、
不明なレシートについて
確認するキャッチボールも
可能ですが、
期限ギリギリに送ることになると
どうしても期限がある以上、
税理士側で判断して
処理することに
なりかねません。

その結果、主に経費について、
入れすぎたり入れなさすぎたりが
出てきてしまいます。

税理士に丸投げしたとしても、
そこにも最適解はあるとは
いえないわけです。

そう、時間だけかけても、
お金だけかけても、
最適解は得られません。

両者をバランスよく
かける必要があります。

最適解を得るには

要件1

最終的には専門家に頼ること

もしくは、

自身の事業分野についてだけでも
税務と会計の知識を手に入れること

このいずれかは必須です。

前者については、税理士への依頼。

後者については、自身で学ぶか、
ネットなどの情報を有効活用すること。
ネットなどで情報収集する場合には
誰が書いている記事なのかは
細心の注意を払ってください。
てきとうな記事も多いですので。

要件2

自身の支出に興味を持つ

領収書(レシート)があるから
経費になるわけではありません。

事業に必要な支払をしたから
経費になるんです。

ですので、領収書には
後日その内容がわかるように
メモする習慣をつけましょう。

領収書をもらった翌日がリミットです。

一週間経つと、忘れるし面倒になります。

次の日に忘れてしまうことは
さすがにないでしょう。

タクシーなら行き先、
飲食店なら誰といったか、
インテリアショップならどういった
目的(自用?贈答?)で買ったか、

こうしたことを細かく記録しましょう。

そうしておかないと、
適当な経理になってしまい、
最適解が得られません。

自身の事業の健康状態が
わからないという状況に
陥ってしまいます。

もしあなたがパソコンを
毎日開く事業者であれば、
領収書にメモするくらいなら
直接会計ソフトに入力して
そこにメモ書きをした方が
早いですよね。

そう、会計ソフトの一つは
買っておいて損はありません。

導入する際には、
専門家にアドバイスを
もらう方が賢明です。
最も効率的なやり方を
教えてもらいましょう。

そうして日々の経費だけは
自力でデータ入力すれば、
最終的に税理士に依頼するとしても
支払う報酬は下がるかもしれません。

手書きメモだけだと
報酬が下がる可能性は
おそらくありません。

データ化してはじめて、
交渉できます。

ある程度の時間をかけて
自分の支出を整理すれば、
申告内容も最適化できるし
業務依頼の支出も低く抑える
ことができるかもしれません。

時間も少し、お金も少し、という
最適解がここにあります。

最後に

事業者にとって申告や納税が
これだけ遠くて難しい存在にある
先進国ってどうなんでしょうね。

シンプルでないこともその要因の一つで、
もっとわかりやすい税制にしなければ
税負担者である国民にとって
「国を支えるコスト」ではなく
「儲かったら取られるもの」という
感覚になってしまいます。

一方で、所得税の各種控除にみられるような
いわゆる社会的弱者への思いやり制度は
「複雑だから止めてしまえ」とは
言えない側面もあります。

せめて、マイナンバーが普及して
国民一人ひとりの生活環境が
ある程度透明性を確保できるまでは
必要なものでしょう。

で、行き着くところはやっぱり教育です。
小学校や中学校の段階で
税金の仕組みについてもっと
勉強する機会を設けるべきあり、
学校のテストや受験問題にも
ばんばん出題すべきです。
そうしなければ、
公民や道徳などのように
記憶に残りにくい学習になり、
双方にとってメリットがありません。

租庸調から、とはいいませんが、
日本史の学習でも年貢制度などを通じて、
税金を身近に感じる取組みをしなければ
小さな政府はムリです。

結果、役所のスリム化も実現せず、
公的コストが下がりません。

ということは税金も下がらない。

いいとこなんてどこにもないです。

今の10〜40代は
やや置いてけぼりを
くらうかもしれませんが、
国の将来を考えると
これからの若者には
そうした教育を
届けたいものです。