自然環境の保全は、観光立国からも安心生活からも大切です。

〜blog『relax&focus』より転載〜

太陽光発電という画期的技術の裏で

ソーラーパネルを設置しての
太陽光発電システムは
画期的な技術革新の一つです。

石炭も石油も使わず、
自然由来のもので
電気を生み出すわけで
そうした化石燃料のように
CO2を排出することによる
環境への悪影響問題は
心配に及びません。

しかし、別の意味でというか
もっと直接的な意味で
環境への悪影響が
看過できない状況にあります。

それは、山や森林を切り拓いて
設置する事例の増加です。

特に南側に面した山の斜面は
日当たりが良く、太陽光発電には
うってつけの場所です。

こうした場所を切り拓いての設置が
わたしが暮らす兵庫県西部では
散見されますし、おそらく
この流れは全国的なものです。

はたしてこの状況は地球環境にとって
是といえるのでしょうか?

パネルと引換に失うもの

そのパネルを設置するためには
そこに生えている木や草を
伐採する必要があります。

木や森は、水を蓄え、
土砂を維持し、
生物を育みます。

そうした生き物が生育する場所を奪い
電力しか生み出さないパネルを
設置する行為は美しくありません。

パネルとそこから生まれる電力と引換に
そうした自然環境を失います。

そうした自然環境が失われると
これまで土砂を保持していた木の根が
失われることによる土砂災害が
起こりやすくなります。
近年、異常気象による自然災害が
増加傾向になりますが、
パネル設置という人災と重なることで
その被害が大規模化するおそれがあります。

また、山から木や草が失われると
それを食べていた鹿やイノシシは
人里へと下りてきて
畑の農作物を食い荒らします。

そして、鹿やイノシシは害獣とされ、
駆除対象となります。

たしかに害獣であれば駆除をするのは
致し方ありません。

でも、その原因を作っておいて
駆除をするというのはいいのだろうか?

山林や森林への設置を禁止せよ

ソーラーパネルによる太陽光発電の源には
二酸化炭素を排出しない自然由来の
電力を生み出すことによる環境への効果と
遊休地の有効活用があります。

前者は社会的な問題抑制につながり、
後者には所有者の実益に繋がります。

しかし、その一方で、前段で述べたような
被害が一段と深刻化するのも事実です。

そして、自然は一度破壊してしまうと
元に戻すことはできません。

ここで所有者に対して
「自然を守れ」の一点張りでは
彼らも納得できないでしょう。

京都の町家を保存したい文化人と
高騰する資産価値に悩む所有者の
バトルと同じような構図が生まれます。

「口出しするなら金を出せ」的な話です。

であれば、
市町村による固定資産税の減免や
国による山林面積に応じた給付金の
支給でその実益の一部を賄うとともに、
自然災害の抑制効果が期待される山林や
多種多様の生物を育む森林については
ソーラーパネル設置を禁止することを
求めたいです。

ばらまきだと批判する声もあるでしょうが、
土砂崩れなどの自然災害を未然に防ぐことは
国益といえますし、そのための支出であれば
単なるばらまきとはことなります。

ソーラーパネルによる発電という
技術自体は素晴らしいので
活用できるところでは
活用すべきです。

地目でいうところの田、畑、
宅地、池沼、牧場、ため池、
あと建造物の屋上、
これらへの設置はOKにして、
それ以外は禁止するというのが
わたしの提言ですが、
こういうのって法の下の平等の
精神からしたらムリなのかな。

農業用のため池にパネルが浮かぶ姿は
隣の加西市ではよく目にします。

あれなら自然環境への影響も少ないし、
どうなんでしょう?

冬に白鳥が飛来する池がなくなる問題は
あるんですけどね。。。