多忙なプレーヤーであっても、数字はきちんと把握したいです。
〜blog『relax&focus』より転載〜
フリーランスの利益管理
主軸の事業として活動するなら、
お金の収支計算において
プラスにならないとまずいです。
プラスにするために何が必要か、
それは利益です。
利益が出る=資金に余裕が出る
これはほぼまちがいのない等式です。
(厳密にいうと成立しないこともあります)
ですので、その事業を継続するためには
利益を出さないといけません。
さらに、その事業で生活のお金を
稼ぐ必要があるなら
生活費をこえるプラスを出さないと
いけないのでたいへんです。
たいへんなことを達成するためには
計画を立てることが有効です。
千里の道も一歩から。
どこから手をつけていいか
わからない。
そんなときはまずは
把握しやすいデータから
整理していきましょう。
それは、「固定費」と呼ばれる経費です。
固定費を捕捉せよ
「固定費」とは
売上の増減に影響されない、
影響されることの少ない経費のこと。
たとえば、飲食店における食材仕入費は
お客さんがたくさん来店して繁盛すれば
当然増えていきます。
これは「固定費」ではありません。
「固定費」の典型的なものは家賃です。
お客さんがたくさん来られても
逆に閑古鳥が鳴いても
家賃の金額は増減しません。
こうした、売上の増減に
連動しない経費のことを
「固定費」と呼びます。
この「固定費」がいくらかかるのか、
これを把握しなければ始まりません。
計画を立てる際のゴールは
「売上がいくら必要か」
を知ることです。
そして、スタートとなるのは
「固定費はいくらかかるか」
なんです。
毎月50万円の固定費がかかるなら
最低でも50万円の売上が必要です。
毎月20万円の固定費がかかるなら、
最低必要な売上は20万円です。
いくらの売上を目指すのも自由ですが、
「とにかく売れてほしい」という
漠然としたターゲットではなく、
「最低いくらの売上が必要」という
明確なターゲットを持つべきです。
その方が顧客層の選別などの
戦略を立てやすいからです。
ですので、まずは固定費が
いくらかかっているのかを
リストアップしていきましょう。
家賃、人件費(給料&保険料)、
自動車などの保険料などは
把握しやすいです。
消耗品や交際費、会議費などは
月によって増減がありがちです。
その場合は数ヶ月の平均を
出せばいいです。
書籍購入やセミナー研修受講も
すべて固定費として
おおよその金額を把握します。
そういう作業を経て、
毎月いくらくらいの固定費が
支出されているかを捕捉します。
こうして捕捉した「固定費」を
超えるだけの売上を獲得することは
至上命題となります。
売上はすべて利益になるのか
さて、みなさんの事業の売上は
原価がかかるものでしょうか。
物販なら仕入れないと売れません。
80で仕入れたものを100で売るなら
売上の20%が手元に残ります。
売上に比例して20%のマージンを
支払うものなら、100に対して
80%の80が残ります。
コンサル業だと仕入はありません。
100の売上はすべて手元に残ります。
このパーセンテージのことを
「粗利率」といいます。
こうして手元に残るお金で
上で把握した「固定費」を賄い、
残った部分が利益となります。
生活の糧となる部分です。
ここから所得税と住民税を納付し、
健康保険と国民年金を支払い、
生命保険をかけていきます。
この生活の糧となる部分を
毎月いくらにしたいか、
そこを最初に明確に
決めてしまいます。
70万円を残したい。
そうした場合、重要なのは
「固定費」と「粗利率」です。
「固定費」が50万円かかって、
「粗利率」が80%の場合、
150万円の売上が必要です。
150万円の80%の120万円から
固定費の50万円を引いたら
残りは70万円になります。
(70+50)÷0.8
つまり、
です。
同じように70万円を残したい場合に
粗利率が100%のフリーランスなら
必要な売上は120万円です。
70+50というシンプルな算式で
計算できます。
一定ラインを越えたら残りはまるまる利益
ここで、売上が180万円だったとします。
180万円の80%の144万円から
固定費の50万円を引いたら
残りは94万円。
売上が30万円増えたら
24万円も生活費が増えます。
もしも売上が200万円だったなら、
200万円の80%の160万円から
固定費の50万円を引いたら
残りは110万円。
売上が50万円増えたら
生活費は40万円増えます。
これは「粗利率」が80%だからです。
もし、「粗利率」が100%なら
固定費を超えた瞬間に
残りの売上はすべて利益として
手元に残ります。
事業にとって、
「固定費」という壁を
知ることはとても大切なんです。
だからこそ、最初にお願いしたいのは
「固定費」がいくらかかっているかを
きちんと把握することなんです。
これから事業を始められる方は
「固定費」がどれくらいかかるかを
しっかりと見通しましょう。