決算が近づくと多くなる問合せの一つです。

〜blog『relax&focus』より転載〜

10万円の機械代の持つ力

100,000円の機械代を
「消耗品費」として
経費に計上した場合、
税金はいったいいくら
安くなるのでしょう?

それは
「法人」or「個人事業者」で異なり、
また、稼いでいる利益のスケールに
よっても異なります。

以下、ざっくり計算していきます。

法人の場合

儲けが400万円以下の会社

①法人税(国)
法人税は儲けに対して課税されます。
800万円以下の部分に対する
法人税の税率は15%です。

②地方法人税(国)
地方法人税は法人税額に4.4%を乗じるので、
儲けに対して計算すると0.66%です。

③法人事業税(兵庫県)
こちらも儲けに対して課税されます。
400万円以下の部分に対する
法人事業税の税率は3.4%です。

④地方法人特別税(兵庫県)
地方法人特別税の税率は43.2%です。
こちらは事業税の税額に乗じるので、
儲けに対して計算すると1.4688%です。

⑤法人県民税(兵庫県)
次に法人県民税(兵庫県)です。
税率は3.2%です。
法人税額に対して乗じるので、
儲けに対して計算すると0.48%です。

⑥法人市民税(姫路市)
最後に法人市民税(姫路市)です。
税率は9.7%です。
こちらも法人税額に対して乗じるので、
儲けに対して計算すると1.455%です。

⑦合計
これらの税率をすべて合計すると
20.995%です。

これに100,000円を乗じると
20,995円です。

100,000円の「消耗品費」が
計上されることで
20,995円税金が安くなります。

言い換えれば、
100,000円の機械を
実質的に79,005円の負担で
買えたことになりますね。

儲けが400万円超800万円以下の会社

①法人税(国)
こちらも法人税の税率は15%です。

②地方法人税(国)
地方法人税は法人税額に4.4%を乗じるので、
儲けに対して計算すると0.66%です。

③法人事業税(兵庫県)
400万円を超える部分(800万円以下)に対する
法人事業税の税率は5.1%です。

④地方法人特別税(兵庫県)
地方法人特別税の税率は43.2%です。
こちらは事業税の税額に乗じるので、
儲けに対して計算すると2.2032%です。

⑤法人県民税(兵庫県)
次に法人県民税(兵庫県)です。
税率は3.2%です。
法人税額に対して乗じるので、
儲けに対して計算すると0.48%です。

⑥法人市民税(姫路市)
最後に法人市民税(姫路市)です。
税率は9.7%です。
こちらも法人税額に対して乗じるので、
儲けに対して計算すると1.455%です。

⑦合計
これらの税率をすべて合計すると
24.8982%です。

これに100,000円を乗じると
24,898円です。

100,000円の「消耗品費」が
計上されることで
24,898円税金が安くなります。

言い換えれば、
100,000円の機械を
実質的に75,102円の負担で
買えたことになりますね。

儲けが800万円超の会社

①法人税(国)
800万円を超える部分に対する
法人税の税率は23.4%です。

②地方法人税(国)
地方法人税は法人税額に4.4%を乗じるので、
儲けに対して計算すると1.0296%です。

③法人事業税(兵庫県)
800万円を超える部分に対する
法人事業税の税率は6.7%です。

④地方法人特別税(兵庫県)
地方法人特別税の税率は43.2%です。
こちらは事業税の税額に乗じるので、
儲けに対して計算すると2.8944%です。

⑤法人県民税(兵庫県)
次に法人県民税(兵庫県)です。
税率は3.2%です。
法人税額に対して乗じるので、
儲けに対して計算すると0.7488%です。

⑥法人市民税(姫路市)
最後に法人市民税(姫路市)です。
税率は9.7%です。
こちらも法人税額に対して乗じるので、
儲けに対して計算すると2.2698%です。

⑦合計
これらの税率をすべて合計すると
37.0426%です。

これに100,000円を乗じると
37,042円です。

100,000円の「消耗品費」が
計上されることで
37,042円税金が安くなります。

言い換えれば、
100,000円の機械を
実質的に62,958円の負担で
買えたことになりますね。

個人事業者の場合

年間4,000万円以上稼ぐ人

①所得税
4,000万円を超える部分への
所得税の税率は45%です。

②個人住民税
住民税の税率は10%です。

個人事業税
事業税の(標準)税率は5%です。

④合計
合計60%です。

100,000円の「消耗品費」を
計上することで
60,000円税金が安くなります。

言い換えれば、
100,000円の機械を
実質的に40,000円の負担で
買えたことになりますね。

年間1,000万円稼ぐ人

①所得税
900万円を超える部分への
所得税の税率は33%です。

②個人住民税
住民税の税率は10%です。

③個人事業税
事業税の(標準)税率は5%です。

④合計
合計税率は48%です。

100,000円の「消耗品費」が
計上されることで
48,000円税金が安くなります。

言い換えれば、
100,000円の機械を
実質的に52,000円の負担で
買えたことになりますね。

年間500万円稼ぐ人

①所得税
330万円を超える部分への
所得税の税率は20%です。

②個人住民税
住民税の税率は10%です。

③個人事業税
事業税の(標準)税率は5%です。

④合計
合計税率は35%です。

100,000円の「消耗品費」が
計上されることで
35,000円税金が安くなります。

言い換えれば、
100,000円の機械を
実質的に65,000円の負担で
買えたことになりますね。

最後に

年末や年度末になると、
税金対策として
こうした消耗品を
買う行為が目立ちます。

本当に必要なものであれば、
それ自体は賢明な対策です。

ご自身に想定される税率から逆算し、
「〇〇%オフで買える」という認識で
それでも必要かどうかを検討しましょう。

いうまでもなく、
機械を買うよりも
買わずに税金を納めた方が
手元に残るお金は多いです。

「必要な機械」を「〇〇%オフ」で
購入するかどうかを冷静に判断したいです。