発生と支払い

魔法の言葉

『節税』

それは多くの経営者を魅惑する
魔法の言葉です。

ときに、税金を納付していない
赤字事業の経営者ですら
「なんかいい節税策ないですかね?」
とおっしゃられる始末・・・。

赤字事業の節税となると、
消費税、固定資産税などが
考えられますが、
今日はその話ではありません。

黒字事業のための節税話です。

そして、この話は節税のみならず、
経営に必須の考え方を紹介するものです。

ですので、赤字事業の経営者さんにも
最後まで読んでいただきたいです。

幼少期の商慣行

小さいころ、お小遣いを握りしめて
駄菓子屋に日参した記憶がある方も
多いのではないでしょうか。

わたし自身、そんな幼少期でした。

駄菓子屋「よしだ」の軒先で食べる
20円の(ゴムのような)わらび餅が
この上ない美味しさでした。

この当時の子供社会の商慣行は
お店でお金を支払うことで
反対にわらび餅を受け取り、
食べることができる。

こういった形のものでした。

そう、お金を支払った時点が
「モノを買った」だったのです。

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オトナの証

ときが流れ、大人になります。

大人になると、自分名義で
クレジットカードが作れる
ようになります。

最初はどきどきしながら
クレジットカードを利用し、
そのうち当然の流れとして
レジでクレジットカードを
提示するようになります。

クレジットカードを利用したとき、
口座からの引落しで
「モノを買った」という
感覚の人は少ないでしょう。

おそらく大半の人が
店頭でカードを提示して
モノを受け取った時点で
「モノを買った」と
認識しますよね。

「買ったのに支払っていない」

オトナの世界には
このような事実が
存在するのです。

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発生主義と現金主義

発生主義

企業会計も税法もこれと同じです。

支払った時点ではなく、
モノを受け取った時点、
サービスを受けた時点で
そのモノやサービスを
費用として認識します。

これを『発生主義』といいます。

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現金主義

逆に、お金を支払った時点で
費用を認識する考え方を
『現金主義』といいます。

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モノを受け取った時点で
お金を支払えば、
両者の主張は一致しますが、
カード決済のように
受け取る時点と
支払う時点が
ズレた場合には、
両者の間でズレが
生じることになります。

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このときには、企業会計でも
税法でも『発生主義』の主張を
支持しています。

「発生の事実」に基づいて
経費計上しなさい、と。。。

切り替えによる節税

この話がなぜ『節税』に
繋がるかというと、、、

カード決済や公共料金の支払いは
翌月に生じることが多いですよね。

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こうした流れですすむと生じるのが
「決算日をまたぐ支払い」です。

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この支払いはモノやサービスを
すでに受け取っており、
今年の経費に入れるべきものです。

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『現金主義』から『発生主義』に
切り替えると、決算終了ギリギリに
発生して、支払いが翌期になるものを
経費として計上することになります。

その分だけ経費が増え利益が減少するため、
納税額を抑えることができます。

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『現金主義』から『発生主義』に
切り替えるために必要な手続きは
何もありません。

本来あるべき姿に切り替えるだけですので、
むしろ推奨されるべき切り替えです。

留意点

「事業者限定、一度きり」

この手法で節税効果があるのは
現在『現金主義』で経理している事業者のみ、
そして、節税効果は一度きりです。

従来から『発生主義』で
経理されている事業者には
この『節税』は使えません。

この『節税』は、
現時点で『現金主義』が
『発生主義』に経理を
切り替えることで
実現するものなんです。

そして、その『節税』の効果は
『発生主義』を導入した時点の
一度きりです。

切り替えた年には
13ヶ月分の経費が
認められますが、

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翌年以降は一年間に発生した、
12ヶ月分だけになります。

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ですので、一度きりの
節税効果しかありません。

最後に

この節税は一度きりのものですが、
『切り札』的にとっておかずに
『現金主義』に気づいた時点で
積極的に切り替えましょう。

なぜなら、それが正しい利益の
算出に必須だからです。

『現金主義』では正しい利益は
計算できません。

『発生主義』に切り替えることで
はじめて正しい利益を把握することが
できるのです。

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