あれこれ決めるときの指針としての会計。

〜blog『relax&focus』より転載〜

決断の指針

ものごとを決断するときには
そのための材料が必要です。

指針ともいえるものです。

会社の意思決定において
もっともそれになりうるのは
「会計」です。

人を雇ったら売上が上がって儲かる
だから人を雇おう

という決断に具体性を持たせるためには
人を雇ったら人件費がいくら増えるか、
雇用による売上増加の見込みがいくらほどで
それによる粗利益の増加はいくらくらいか。

こうしたことを一つずつ数値化して
それを会計に落とし込むことで
人を雇用したときの未来図が
見えてきます。

その結果、

人を雇ったら年間200万円の利益増が見込める
だから人を雇おう

という風にターゲットが明確になります。

もちろん、思いどおりにならないことも
ありますが、軌道が明らかになれば
結果が思いどおりでなかったときの
原因究明にも役立ちます。

だからこそ、会計は経営者にとって
必要不可欠なツールなのです。

そのための試算

「会計」を義務感ではなく、
こうした意思決定に
役立てるために大切なのは、
「すでに起こったこと(過去)」を
記録するという最低限の活動に留まらず
「これから起こりうること(未来)」を
会計のルールに沿って描くことが大切です。

これは簿記一巡の流れとは異なります。

簿記での手続きは
「取引」があって初めてスタートします。

しかし、それでは会計は単なる記録システムです。

会計をそこに留まらせず、
意思決定システムとして
機能させるには
未来を空想して仕訳を切る
行為が不可欠です。

着地点をコントロールする

この「未来の仕訳」ができれば、
さまざまな意思決定の結果の
着地点が見えます。

そして、さらに、着地点を決めて
そこから逆算的に意思決定を
行うことも可能になります。

5年後に3,000万円を貯めて
次の事業に投下する。

そのためには今年いくら稼いで
いくら納税しないといけないか、
そんな試算をしながら話をすることに
とてもやりがいを感じています。

お客様の未来作りをサポートする、
税理士の仕事の持つ側面の一つです。