“攻め”の経理と“守り”の経理。どちらも大切です。

〜blog『relax&focus』より転載〜

経理の“守り”と“攻め”

経理がになう守備的な役割として
「決算」や「申告」があります。

ここがおろそかな会社は
継続して事業活動することは
難しいです。

そういった意味で、これは
守備的な要素といえます。

一方で、経理にも攻撃的要素があります。

それは「未来の試算」です。

これからどうなるかわからないけれども
「こうなったらどうなる」
「こうならなかったらどうなる」
こうしたことをシミュレーションして
反応速度を高めておくこともまた
事業活動の継続にとって必要です。

決算とのちがいは“これから”を語ることです。

その点で、どこか攻撃的な役割があると
わたしは感じています。

“守備”は売上からの積み上げ計算

決算での目的の一つは
利益を確定させることです。

これは一年間の売上、仕入、経費を積算して、
これらを差引計算することで算定されます。

また、決算では債権債務の残高を
確定させることも目的の一つです。

これも、1年間の現預金の動きに合わせて
増減し、その残高が確定されます。

すべては、現実に起こった事実に即して
事後的に整理することで確定させます。

これらはすべて、法律でその義務が
課せられています。

”攻め”のコツは利益からの逆算

一方、未来の試算はどうするか、
そのコツは「利益からの逆算」です。

借金を返済する原資も
次なる事業投資への原資も
基本的には税引後利益です。

この税引後利益を結果として
捉えるのではなく、
いくら必要かを先に
決めてしまいます。

そこから逆算して、
経費の上限、売上げ目標、
こうしたターゲットを定めて、
そのために必要な施策を
検討していく。

このように進めることで
狙った利益を確保することが
“攻め”の狙いです。

利益が見えていたら、
それに関連する税金も
最初からわかっているので
それに向けての積立ても
容易に行えますし、
効果的な(意味のある)節税を
じっくり時間をかけて検討できます。

こうした未来の試算は
法的に求められるものではありません。

それだけに「やらなくていいことに
時間を使いたくない」という心情も
わからなくはないのですが、
やっておくことでその後の
時間の使い方も格段に好転しますし、
その意味は十二分にあると
わたしは信じています。