自分のお金はいざというときに置いておきましょう。

〜blog『relax&focus』より転載〜

起業前の資金蓄え

商売をすると決意したら、
いきなりできるものも
あるでしょうが、
だいたいの商売には
お金がかかります。

設備投資だったり、
仕入や人件費などの
運転資金だったり、、、

ご相談に来られた方から
それを見越して決して余裕があるとは
いえない給料からコツコツと貯蓄を
されてきた記録を見せていただくと
本当に目頭がアツくなります。

で、いざ商売を始める際に
そのため込んだ自己資金で
始めようとされる方に
全力でお伝えすることがあります。

「そのお金は置いておきましょう」

開業時は融資のチャンス

開業のタイミングは
融資のチャンスです。

実績がない状態ですので、
これまでの資金管理と
これからの展望を中心に
融資審査が行われます。

これまでの資金管理というのは
その事業に対する熱意のあらわれ
でもあります。

まったくお金を貯めていない状態で
事業にかける想いを語られても
それは信頼性を欠きます。

コツコツとお金を貯めてきた
記録の詰まった通帳は
その方のアツい想いと
それに対する実行力を
何よりも雄弁に語ります。

そんな通帳と返済可能で
実現性の高い計画があれば、
日本政策金融公庫は
あなたの事業に融資を
実行してくれます。

これが起業して数年が経過すると
「起業後の実績」が融資可否の
判定の重要な要素に加わります。

そのときに順調であればいいですが、
思いどおりにいかず悩んでいるかも
しれません。

そんなとき、金融機関からの融資は
非常に厳しいです。

軍資金は自己資金か借入か

開業資金が600万円かかるとします。

そして、ここに自己資金として
600万円の貯蓄があるとします。

このときに、自己資金で
事業をスタートすると
借入もありませんが、
手元資金もなくなります。

開業当初から商売が順調に
まわれば問題ありませんが、
開業後数ヶ月にわたって
赤字が続いたりすると、
一気に資金ショートします。

そんな状況に陥ってから
融資を申し込んでも
とてもじゃありませんが
借りられません。

親族や友人、はたまたサラ金などに
資金調達を頼ることになり、
遅かれ早かれ破綻する可能性が
極めて高いです。

一方、600万円の融資を受けて
その融資で事業をスタートします。

すると、事業開始時に
借金600万円が生まれますが、
事業への投資はその借入を
充てることができます。

開業後数ヶ月にわたって
赤字が続いたとしても、
手をつけていなかった
自己資金で借金返済や
運転資金をまかなえます。

そうすると、利益を生む事業を
探るための時間稼ぎができます。

さらに、開業資金の他に
運転資金としても
いくらかを調達できれば、
もっと余裕を持つことができます。

この余裕の有無が事業において
決定的な差として現れる場面があります。

それは「受けたくない仕事」への対応です。

資金に余裕がなければ、
その日のお金を稼ぐために
利益があまり残らない仕事や
つきあいをさけたい相手を
受け入れざるを得ません。

しかし、資金に余裕があれば、
そうしたことを断る余力が
生まれます。

その結果、自分にとって
やりがいのある仕事だけに
注力することができ、
事業もきっと好展開するでしょう。

「金のゆとりは心のゆとり」とは
誰が言ったかは知りませんが、
これはまさに名言です。

お金に余裕がなくなると、
やっぱり心もどこか
すさんでしまいがちです。

そんな状態での仕事は
足元も見られがちですし、
いいことがありません。

仕事を選別するためにも
事業資金は余裕をもたせて
おきましょう。

最後に

開業して1年が経ち、
確定申告の時期になって
税理士を探す方も
いらっしゃいます。

が、それはオススメできません。

融資申込みというのは、
相手が貸したくなるストーリーを
客観的に組み立てる必要があります。

その相手の目線をよく知る専門家は
やはり税理士です。

また、いざ確定申告になって
「届出ができていない」
「資料が残っていない」
といった不備が生じたら
時間もお金もロスします。

何ごとも最初が肝心です。

顧問契約をしなくても
単発での相談に対応する
税理士も今はたくさんいます。

アドバイスを受けてから動けば
ロスが最小化できますので、
一度相談してみましょう。