Excelでばっちり。レポート用紙に手書きでもオッケー。

〜blog『relax&focus』より転載〜

独立したらもうかるかどうか

こればっかりは独立してみないと
わからない部分も多いです。

「独立したら仕事お願いするわ」
なんて言ってくれていても、
いざ独立したら全然仕事を
依頼してくれない、ことは
意外と多かったりします。

だからこそ必要なのが
転ばぬ先の事業計画、です。

最低どれくらいのお金が毎月必要か、を
できるだけ正確に試算することが
キモになってきます。

そして、それを試算することによって
資金融資も受けやすくなるとすれば、
つくらない手はありません。

今回は計画を作成する手順を
案内していきます。

ちなみに、完成すればこんな感じです。

計画の作成手順

まずは経費から

利益(もうけ)は

利益 = 売上 - 経費

で計算されるので、
まず最初に売上を
計算しがちになりますが、
最初に捕捉すべきは経費です。

まず最初に人件費がかかるかどうか、です。

社員として雇用する必要があるなら「給料」
バイト・パートを採用するつもりなら「雑給」

一人でスタートするなら、これらはゼロです。

次に、ワーキングスペースとして
どこか借りる予定があるか、です。

事務所やテナントを借りるなら「家賃」

がかかってきます。

あとはこれ以外の経費がどれくらいかかるか。

器具備品のリースが必要なら「リース料」
移動にコストがかかるなら「旅費交通費」
携帯・データ通信量として「通信費」
業界団体への加盟が必要なら「諸会費」
交流の場に定期的に出席する予定なら「交際費」

これらが主たる部分です。

そのほか、細々としたものは
「その他」として概算で見積もります。

こうした経費の合計が、毎月かかるコスト量です。

次に売上と売上原価

次に「売上」と「売上原価」の予測です。

まずは「売上」から。

売上 = 単価 × 件数

で構成されます。

単価を設定するのは自分自身です。

あとは、1ヶ月あたりの件数が
予測できれば売上予測が完了です。

件数が予測できない場合には
目標件数を設定して計算します。

つぎに「売上原価」について。

この「売上原価」は
利益のマイナス要因で
「経費」と同類です。

何かモノを仕入れて販売したり、
そこから何かをつくり出して提供する場合、
売り上げるモノを調達する必要があります。

その支出を「売上原価」といいます。

おおよそのパーセンテージが
明らかだと思いますので、
うえで計算した売上に
その比率を乗じて計算します。

計算式の各要素が出そろいました。

利益(もうけ)の計算

利益(もうけ)は次のように計算します。

利益 = 売上 - 売上原価 - 経費

ここで、自身の生活コストを稼げていない場合には
貯金を切り崩してのスタートという予測となります。

業種的に最初からすぐに立ち上げるものもあれば
数ヶ月は貯蓄を切り崩すものもあるでしょうし、
その事業者の資質によるところも大きいでしょう。

わたしは、税理士事務所単体で
採算が取れるようになったのは
独立してずいぶん経ってからでした。

損益予測は融資申込みにも役に立つ

開業直後の数ヶ月が資金的に厳しそうな場合には
日本政策金融公庫で「創業融資」を申し込むことを
オススメします。

金のゆとりは心のゆとり

お金が枯渇していくと、判断が揺らぐこともあります。

あるていど資金余裕をつくっておくことは
冷静な事業判断をするうえでも重要です。

そして、「創業融資」を申し込む際に
必要になるのが「創業計画書」です。

こちら(↓)からダウンロードできます。

各種書式ダウンロード|国民生活事業|日本政策金融公庫

この創業計画書の8番目の項目に
「8 事業の見通し」という欄があります。

こちらがそのまんま月別損益予測なんです。

ただし、うえで作成した月別損益予測には
お金を借りた際にかかる「金利」が
入っていません。

ですので、「経費」に「支払利息」を
計上することになります。

いくらくらいになるか、は
借りる金額と利率によります。

600万円を借りて、金利が2%だったとすると
一年間の金利をざっくり計算すると

600万 × 2% = 12万円

これを月々にわけると毎月1万円です。

もちろん、返済していくと
元金が減っていくので、
金利はこれよりも減りますが、
その計算を厳密に行うのはたいへんなので
このような概算でじゅうぶんです。

これを加えた予測表はこちら。

そして、創業計画書の最後には
こんな一文があります。

なので、月別損益予測も添えて
提出してオッケーです。

そして、その月別損益予測を
つくっているという事実は
プラス評価になります。