その行為、どこかで誰かが見ています。

〜blog『relax&focus』より転載〜

現金売上は跡がつかない?

対事業者の商売であれば、
見積書や納品書、請求書といった
書類が作成され、その代金決済は
振込で行われることが通常です。

あらゆる段階で、跡が残ります。

しかし、(美容室や飲食店といった)
一見の消費者向けの商売では、
その場で注文を受けて提供し、
代金を受け取って終了です。

カード決済であれば跡が残りますが、
現金でもらえば跡は残りません。
領収書の控え、くらいでしょう。

ここで、悪魔がささやいてくることがあります。

「これ、売上にしなくてもわかんなくね??」

こうしてほんの些細な出来心で
始めてしまった売上除外は
徐々に金額が膨らみ、
年間で数百万円とかに
のぼることもあります。
月10万円でも
年間120万円ですから。

これは脱税という立派な犯罪です。

窃盗や恐喝、傷害、痴漢行為、ひき逃げ、
こうした行為と同列の反社会的行為です。

絶対に手を染めないでください。

最初の「ちょっとだけなら」を
強い気持ちで押しのけてください。

あなたの事業に誇りを持っているなら
その事業を痴漢行為と同列に
おとしめるようなことは
絶対にやめましょう。

という精神論とともに、
こうしてバレるってことも
お伝えしていきます。

推計される可能性

たとえば、飲食店の売上げって
レジや売上帳をみないと
わかりません。

そこを改ざんしてしまえば
わかんないんじゃない?
ということですが、
そこを改ざんしても
他から探ることもできます。

たとえば、有名な手法では
割り箸の発注数を数える、とか。

ラーメン店などの一人一品商売では
ある日の来店数を数えていて
見合った売上が上がっているかどうかを
チェックすることもできます。

最低単価600円のラーメン店で
200人のお客さんがきて
その日の売上が70,000円って
ことはないでしょう。

その昔、姫路では塩田を利用して
塩を生産する事業が盛んでした。

その製塩事業者の申告が
どうも怪しいということで
年間日照時間から
推定生産量を割り出し、
それを基に課税した
ゴリゴリ税務署員の孫が
わたしです。

戦後まもなくの話です。

生活できてる??

こんな決算書を目にすることがあります。

で、オーナーさんがとほほって感じで
「儲かってないんですよ」と。

この決算書から推測される収支は
年間で0円、つまりお金は
増えても減ってもいません。

これって商売に関する収支なんです。

もしこの事業者が世帯主なら
ここで稼いだお金で生活するんですよね?

そのうえさらに、
「住宅ローンを払っている・・・」とか。

配偶者が稼いでいるとかなら
話は別ですが、配偶者も
店に出て手伝ってるとか。

1年だけとかならあるかもしれませんが
こんな内容の申告が続いていたら
明らかに異常な何かを感じます。

もちろん、それまでの貯蓄を
切り崩して生活しているとか、
株式投資でじゅうぶんに
稼いでいるとか、
事業以外での蓄えを基に
生活しているケースもあります。

けれども、それが申告に出てこないものなら
税務署的には「売上、抜いとるかもな」と
勘ぐりたくなるでしょう。

田舎ならともかく、
神戸や大阪といった都会で
借り家で生活しているなら
家賃だって相当にかかります。

たとえば、月20万円の生活費なら
年間で240万円のキャッシュが
事業から生まれていないと
理屈が合いません。

月30万円の生活費なら
年間360万円です。

それだけ利益が出て
ようやくトントンなんです。

家庭の貯金が増えてたりするなら
もっと利益が出ているはずです。

そこで、税務職員は考えます。

「売上、抜いとるな」

最後に

はやく銀行口座のマイナンバー紐付けも実行して、
こういった多面的な角度からおかしな税務申告を
それこそAIを駆使してあぶり出すようなシステムを
国を挙げて作りあげてほしいものです。

そうすれば、官庁の大幅な人件費削減と
世の中に(おそらく)蔓延していると
推測されるこうした脱税行為の検挙の
一挙両得になります。

せっかく導入されたマイナンバー制度です。
まじめな人がバカを見る、ゆがんだ社会を
改革する一手にしてほしいですね。