予算を立てたら、次は実績との対比。これこそが経営計画の命。

〜blog『relax&focus』より転載〜

経営計画は事前予測

多くの経営者にとって最も響く言葉は“節税”
この言葉には本当に多くの人が反応します。

ひるがえって、
“経営計画”という言葉は
おそらく中小企業の経営者には
あまり響かない言葉の一つです。

“経営計画”という言葉にはそれほど
強い関心を持たれる方は多くありません。

ただし、一度この魅力を知った経営者は
翌年からも常に計画を立案し、
経営判断のガイドラインとされることが
多いという実感があります。

そのことからいえるのは、
「経営者には響きにくいフレーズだけれども
実際のところはめっちゃ大事」というのが
“経営計画”という言葉のもつ性質です。

では、“経営計画”っていったい何なの?と
いうことですが、

「来期の売上はどれくらいにするか」
「来期の経費はどれくらいにするか」
というところから始まって、
ヒトの採用や設備投資、
新規借入や返済の戦略まで
微に入り細に入り決めていき、
一つの事業プランとして
まとめたもののこと、です。

この“経営計画”は経営者にとっていわば
今後の「査定リスト」となるものであり、
あまり気持ちのいいものではありません。

まるで、「こうしなさいよ」と
言われているかのようでもあり、
「これができないと赤点だぞ」と
言われているようでもあります。

しかし、これはまだスタートなんです。

このスタートを切った後が大切なんです。

2種類の経営計画

“経営計画”には2種類あります。

複数年先(通常は3〜5年先)を見据えて、
事業年度ごとの目標を立てていく『中期計画』

ここではまずは現状のことは差し置いて、
5年後の理想を掲げることをオススメします。

人間、想像以上の状態には
持っていきにくいですから、
まずは最大限のものを
想像しましょう。

スクリーンショット 2018 08 24 9 03 16

ただし、“5年後の理想”は
時間軸からして遠すぎるので
現実味、臨場感がありません。

スクリーンショット 2018 08 24 9 03 23

そこで、その理想のための
ロードマップを作成します。

これが『中期計画』です。

“5年後の理想”だけでなく、
それを実現するための
“1年後の理想”を
固めていきます。

スクリーンショット 2018 08 24 9 03 31

こうすれば時間軸的に
手前に目標がやってくるので
臨場感が生まれます。

とはいえ、これではまだ
荒っぽすぎます。

ここからもう一段階
踏み込んでいきます。

それが『単年度計画』です。

『中期計画』の1年目を達成するために
毎月どれくらいの売上が必要で
コストをどれくらい使えるかを計算し、
それを基に行動計画を練り上げる、
これが『単年度計画』。

スクリーンショット 2018 08 24 9 03 38

これによって、
毎月到達すべき数字と
それを達成するために
取るべき行動(仮説)が
できあがります。

つまり、理想のルートと
その踏破方法が
明らかになります。

スクリーンショット 2018 08 24 9 03 46

この2つの計画を作成するところから
スタートです。

『中期計画』はある程度荒っぽい感じで
さささっと進めていきますが、
『単年度計画』はじっくりと時間をかけて
実行可能性も考慮しながら練り上げます。

ここで大切なのは、『単年度計画』は
数値目標だけでなく、
それを達成するために何をするか、
つまり行動計画まできちんと
落とし込むことが肝要です。

これができなければ、
まさに“絵に描いた餅”に
なってしまいます。

予算と実績の対比(予実管理)

上記2つの計画が完成したら、
次は計画で示した行動を実行します。

その結果が、毎月の数字になって
表れます。

この月次実績だけを眺めていても
その良し悪しの評価は難しいです。

前月よりも好成績、が
本当にいい状態かどうかは
判断しづらいです。

スクリーンショット 2018 08 24 9 57 13

そんなときに役に立つのが
『単年度計画』です。

『単年度計画』と比較することで
理想のルートと現実のギャップを
洗い出します。

スクリーンショット 2018 08 24 9 57 19

この理想と現実のギャップを認識し、
少しずつ理想に近づけることで
『中期計画』の達成に必要な
『単年度計画』の遂行を試みます。

当然、100点満点は難しいです。

しかし、何をどうすれば
理想形に近づくかを
常に意識できるかどうかは
結果に大きな差を生みます。

だからこそ、計画(予算)を
立てることも大切ですが、
それと同じくらい、
いや、それ以上に
月次(実績)との対比を
見続けることが大切です。

これを“予実管理”といいます。

こうしたことを365日24時間
ずーっと頭に入れて
意識し続けるのは大変です。

ただでさえ、経営者は忙しいです。

だから、普段はこうしたことは
忘れていてもOKなんです。

『単年度計画』を作って
毎月月次実績と共に確認する

この流れさえできていれば、
毎月定期的にルートのズレ、
ギャップを意識せざるを得ません。

データ入力代行の対価としてではなく、
忙しい経営判断の合間に毎月定期的に
現状と理想のギャップを確認し、
ズレの解決策を練ることで理想に近づく。

こうした仕組みの構築と実行に
顧問契約の持つ意味があります。